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第七十九話: 「続々・世の中訳の解らぬことばかり。疑問と不思議」 (その2)

2017年11月24日

今年は大政奉還150年、来年の明治維新150年にかけて、このところ明治の
王政復古(7百年も続いた武家政権の終焉)を見直す風潮が強くなっております。
天皇退位も近づき、大正・昭和・平成の御代をも併せて近・現代史を回顧し、我が国の未来を
見据えた史家や思想啓蒙家の論評が喧(かまびす)しさを増して来ました。その中で多数派と
目される議論は、従来ややもすると評価が低かったり疑問符が付けられていた偉人が
見直される一方で、比較的持て囃されていた偉人の側が著しく評価を下げているという注目点です。

例えば明治天皇、西郷隆盛、大久保利通、山縣有朋、乃木希典等はプラス評価へ転じ、
逆に勝海舟、坂本龍馬、榎本武揚、大隈重信、等は総じてマイナス評価となっています。
ここで、興味深いのは、今昔を問わず、高評価を落とさなかった福沢諭吉の場合で、
これまでは、教育啓蒙家、自由民権論者(学問のススメ、通俗民権論他の著)として
評価されて来ましたが、同時に「立国は私なり」「官民調和」を唱えた国権論者でもあり
(文明論の概略、通俗国権論、痩(やせ)我慢の説他の著)現下の再評価は、
むしろ後者の”国権論者“にあったと思われます。つまり、軟弱な民権派に代わって、
骨っぽい硬派こそ、国家独立の礎(いしずえ)と期待される時代が明治日本を
回顧させているのかもしれません。
これは、文学・芸術面にも共通する視座で、夏目漱石から大正デモクラシー、
白樺派(倉田百三、志賀直哉、武者小路実篤ら)へと継承された自我煩悶(はんもん)、
心の弱さを具現したのは、絵画界の印象派賛美にも連なる軟派的な「陰」の流れと、
漱石に相対する軍人森鴎外、国木田独歩、正宗白鳥から小林秀雄を経て三島由紀夫に至る硬派的な
「陽」の潮流とに共通するものと見て良さそうです。
換言すれば、我が国の思想や制度、文化・文明・風習の内、時代の転換点にある今現在、
未来に向けて残すべきこと、変えるべきことの選別、取捨選択の解が、
明治と大正・昭和・平成の間で、やや視座のずれと言うか、位相の反転が起こりつつあるかに
感じられる次第です。
マスコミ対ミニコミ、スマホ対書籍の相克(そうこく)が始まっています。
 
国政のあり方の見直しは、我が日本だけでなく、世界的な風潮となって居ります。

トランプの登場で話題を呼んでいるポピュリズム(=人民主義が正しい訳語で、
マスコミの大衆迎合主義は誤訳です。
対語はエリーティズム=選良主義です。)が欧州にも拡散しつつあり、独AfD、仏国民戦線、
伊五つ星運動、蘭自由党、オーストリア自由党、他にもチェコ、ハンガリー、ポーランドなどで、
いずれもが選挙ごとに得票を大幅に伸ばして、政権への関与を強めております。

大戦後の左派的人道主義、進歩主義、自由主義の延長線上のグローバリズムを主導してきた
マスコミジャーナリズムの情報操作や、為にする偏向・捏造(ねつぞう)報道が、草の根レベルの
インターネット新興ジャーナリズムや右派的保守主義、国家人民主義を標榜(ひょうぼう)する
ミニコミに競り負けて、大衆扇動に陰りが見えてきたと見られております。

古き良きアメリカンドリームの時代は、「GMに良いことは国益になる(スローン社長)」
「我社の労働者にも買える車を安く作る(フォード創業者)」と、
まさにポピュリズム・ナショナリズムの国家でした。
ところが、クリントン大統領の金融・IT自由化から始まったグローバル時代は、
オバマ大統領時代に至る間に、国産製造業が失速する一方で、大輪の花を咲かせたIT企業は、
無国籍化し(アップルのように、低開発国で生産、先進国への販売、
タックスヘイブン活用で、国税回避)さらに「市場は広く世界へ、国家は邪魔(ジョージ ソロス)」と
豪語するグローバル主義投資家も含めて、国家国益の破壊者となってしまったのが、米国の悲劇でもあり、
国家再建を語る“トランプの本音”は此処にポイントがあると思います。
 
ところで筆者は、トランプ支持者という訳ではありませんが、偶々(たまたま)米国に長く住み、
学友やビジネスフレンドとの付き合いも長いこともあり、マスコミ報道の裏情報も結構耳目に
触れるので、クリントン女史よりは、トランプ当選の可能性があること、当選後のトランプが
執拗なマスコミのバッシングを浴び、彼らの仕掛ける支持率調査で、3~4割と低位にあっても、
弾劾(だんがい)や暗殺、または辞職に追い込まれることはなかろうと予言してきたのも、
グローバリズムの弊害こそ、万国共通の苦悩であり、国益優先は民主主義・自由経済に悖(もと)るものでは
ないと確信するからで、米国伝統市民の固い支持にブレも減耗もないと確信するからです。

そもそも、大統領選からして、IT業界や中露ロビーストが大資金源(5億ドル)だったクリントン女史に
対し、2億ドルしか選挙資金のなかったトランプ、しかもその半分の1億ドルは自己資金だったが、
クリントン資金の4割=2億ドルはロシアの裏金だったというスキャンダルがあったことは、
女史や民主党支持者だったマスコミが触れませんでした。ただ、これを裏付けるのは、
今現在、クリントン支持層の法務関係者とマスコミが、トランプ陣営のロシア干渉疑惑を
執拗(しつよう)に追いかけているのは、逆にトランプ側からの
クリントン疑惑(民主党委員会経由不正資金事件)追求と相殺(そうさい)し、
もみ消したいというのが女史側の思惑だというのが真相のようです。

因みに、アメリカのMSM(主流メディア)の歴史的原点は、共産主義者たちで、その垂れ流す情報に
依存している日本やカナダ、欧州のジャーナリズムが、極めて左傾的なのは今や世界の常識ですが、
トランプ曰く“フェイクニュース”の発信源はCNN,ニューズウィーク、ワシントンポスト、
ABC、NBCあたりにあることは、自覚しておくことをお勧めします。

共産党としての政治活動は、米、英、独の他、アジアではタイが違法化されており、
中国のように事実上、共産主義経済を完全放棄したものの、一党独裁の便宜上、党名だけを
残している他は、既述の欧州でも、我が日本でも、左派政治がナショナリズムの
勃興(ぼっこう)に追い詰められ、次第に勢力を弱めつつあるようです。
 
無国籍を標榜(ひょうぼう)するグローバリズム経済活動に取って代わるべきは、
正しいナショナリズムに基づく多国籍企業の復興と、タックスヘイブンのような姑息(こそく)な
脱税を防止し、企業も市民も納税義務を果たすことでしょう。幸いにも、スイスに始まった
隠し口座資金主の公表化が、パナマやマルタに及び、IT捕捉の進展に伴って、バミューダや
ケイマン等々も漸次(ぜんじ)やり玉に上がるようになって居り、いずれ各国中央銀行の管理下に
置かれていない“仮想通貨”も、野放し状態から捕捉されるようになるでしょうから、
富める国家の徴税システムが確立されることで、先進諸国の財務保全が健全化されるものと期待されます。
願わくは、メディアや政治が、このあたりにもっと着目して、“腫物(はれもの)に触(さわ)る“が如き
報道姿勢を改めて欲しいものです。

至近情報では、米国と我が国の経済指標はいずれも上向きの数値を出し始めております。
欧州の出遅れ、中国の失速が気がかりですが、いずれ世界経済が、グローバリズムの蟻地獄から
脱却してもらいたいものです。唯一の心配は、北朝鮮外交ですが、目下ミサイル発射も核実験も
休止中であり、戦火という災禍を避けるためにも、早急に米中露による「21世紀型ヤルタ会談?」を
持って事に当たって頂きたい次第です。(了)

bird's-eye view of sitting on bench while discussion

最終更新日 2021年11月3日

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