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2014年5月29日

南シナ海における中国の膨張・覇権主義と強圧姿勢がベトナム、フィリピンの反発をはじめ、アジア発世界中に緊張を齎しております。

今般のベトナム漁船沈没事件や東シナ海上空での我が国自衛隊機への異常接近にしても、自ら国際的信頼観醸成を否定する悪あがき度を増しています。

この裏に、オバマ大統領によるアジア歴訪による同盟国関係の強化、すなわち「再均衡(または軸足)政策」の再確認がありました。

 

しかしながら、その前に、昨年パームスプリングでのオバマ・習(米中)首脳会談において、「新型大国関係」構築、所謂G2合意論(中国との力の共存を容認し合う重層的談合)があった訳で、そこには、両立しえない明らかな矛盾があり、米国の二枚舌外交とも言えるものが見え隠れして居るようです。

 

この辺は、米有力紙フィナンシアルタイムスによる「オバマのアジア政策は紛らわしく曖昧」であって、棍棒を捨てたオバマ弱腰漂流外交が当事者能力と抑止力を喪失し、ロシアのクリミア併合に続く中国の力による現状領域変更の強行を生んでいると断じざるを得ません。

カンボジアなどの親中国派も含み、元来争いごとを回避してきたASEANでさえも、此処に至って「深刻な懸念」を表す異例の外相声明を出すに至っております。
 
米ソ冷戦後少なくとも20数年間は、アメリカが「世界の警察官」としてグローバルリーダーシップを握って来ましたが、米国史上初めて「平和のために力を行使しない」ことを信条とするオバマ大統領が、シリア攻撃の中止に見た如く中東関与から身を引いたばかりか「ロシアや中国とも直接対峙したくない」姿勢を取り続ける以上、日本国として「オバマ政権は頼りにならない」と心得ておく必要性がありそうです。

 

少なくとも、この大統領は出自来歴や主要サポーターからして、反WASPと反エリート信条を隠れ蓑とし、反軍事思想、反キリスト教哲学の持ち主のようです。

御存じのように慰安婦や南京問題をはじめ、在米の反日運動組織「世界抗日戦争史実維護連合会」から資金提供を受けているマイクホンダ下院議員を強力に後押ししたのが、民主党左系リベラル派のバラク・オバマ上院議員(当時)だったことも記憶に新しいことです。

 

今般も国賓として異例の単身来日したことは納得が行きませんでしたが、陰の大統領とも揶揄されるミシェル夫人が、その1ヵ月前には、母親と娘二人を連れて習国家主席夫妻の招聘を受けて一週間も北京に滞在したことと対比しても極めて不可解な印象を禁じ得ません。
 
もっとも、日本にとって「オバマ政治」をアメリカ全体の歴史的変化とか、国力の弱体化と直接結びつけてはいけないのであって、オバマ任期のあと二年半をどう凌ぐかの問題だと割り切るべきなのです。もっとも、この秋の中間選挙で民主党が惨敗すれば、オバマ政権が“死に体”となり「オバマ離れ政治」の萌芽が見られるようになるかもしれません。

いや、既にオバマ離れが民主党内にさえ垣間見られる事態となりつつあります。

少なくとも、オバマ個人の“偏向”問題と日米同盟の抑止力を高めるための緊密化努力とは、切り離して考えるべきだと考えます。

従って、中韓が示し合わせて、このところ益々狡猾な動きを加速しつつ日米分断を謀る諜報戦略に乗る訳にはいかないのであります。

かつて、鄧小平・微笑外交が日本の経済力・技術力を手に入れるべく仮面をかぶって曳いた「日中友好路線」を、今や全てひっくり返し、傍若無人の強硬姿勢で暴走を繰り返す習金平政権こそ、日本人をして国家的危機観に目覚めさせてくれたのです。
 
20世紀後半の国際政治の坩堝が中近東・東欧を巡る陸上地政学だったのに対し、21世紀前半の“新坩堝”こそ、中國による海洋進出戦略である西太平洋海域地政学と言えそうですが、その主導権を安易に受け止める訳にいかないのが、日米欧印とASEANおよび豪州であることは世界の良識でしょう。

 

強圧的支配を目論む習独裁政権には、西欧的な民主主義的価値観もオバマ外交の対話懐柔路線も全く通用しませんし、「米中新型大国関係」など同床異夢に過ぎませんから、やはりここは、“勢力の均衡”つまり「新東西冷戦」に行き着く他なさそうです。

 

西太平洋から米第七艦隊を追い出そうと言う「中国の夢」を危険視する米国防省やNSC(安保会議)は、オバマ軟弱外交に痺れを切らし、台湾関係法遵守と台湾防衛の意志を明言しました。

 

この背景には、台湾の親中統一路線・馬英九政権の支持率が9%に急降下して、反中騒動が各界に本格化し始めており、経済だけで結びついていた米国の親中派へも飛び火した形跡が伺えます。

 

台湾実業界の異変は、盛時2万5千社を数えた対中進出企業のうち、既に1万5千社も撤退したそうで、貿易額・投下資本も激減しているようです。

民主主義の普及、国民モラルやマナー、治安で、同じ中華民族ながら彼我に雲泥の差異を痛感する反中派台湾人が急増しているそうです。

中台対立の本質は、同一人種だから両者は運命共同体であるとする中国共産党の主張と、台湾人は大陸の中国人と運命の異なる民族であるとする台湾独立勢力の争いなのです。我が国の安保問題としての集団的自衛権の論議も、民族は感情問題であるとの踏み込んだ議論が急務でしょう。
 
中国は明らかに内政上歴史的衰退の局面を迎えており、習主席が雪隠詰め状態にあることは、漏れてくる内外情報からも容易に推察されます。

建国時に宣言した「民族自決」をその後の憲法改定で全否定したことから、ウイグル、チベット、内モンゴル、回族、チワン族をはじめ50を超える少数民族の宗教・文化・風習が漢民族によって抑圧され、隷属化させられたことが、テロの頻発を生んでいるのです。

 

放牧民族や絹街道商人たち少数民族が元々住んでいた広大な草原地帯は中国全土の6割も占めていたが、そこへ漢民族が入り込み土地を収奪し農業や商工業を起こし、自治区の開発融和と言う美名の下での「強圧的手段による占領」が、彼らの絶望感を生み暴発を誘発させているようです。

 

一方都市へ逃げ出しても、低賃金の肉体労働を強いられ、劣悪な地下室生活からネズミ族と言われる貧困者が増え、都市暴発に繋がっています。

その都市経済も不動産バブルが弾け、陰の銀行の破綻と海外資金流失が増大するなどから、大学を出ても就職できない多数のアリ族を生んでおり、社会問題を一層深刻化させております。

 

一説に中国経済成長率は、実質6%(発表は7%)台に鈍化し自転車操業に陥っており、8%以上確保できないと分配と再成長は不可解だそうですから、台湾財界をはじめ欧米日資本の退却が加速しているのも宜なるかなと思う次第です。

 

水と空気の汚染に伴う生活と食の危機、政治や経済の金銭至上主義と権力闘争や汚職の蔓延などは、大陸中国の歴史的な家族主義の肥大化と利己主義が招いたものだそうで、これからの中国の混乱と崩壊は不可避であろうとする評論が増えています。
 
強かなプーチンロシアは、ウクライナ問題に際して欧米から受けた経済制裁を凌ぐ意味でも、急遽中国に天然ガスを大量販売した上で、「中露共同声明」を発表しましたが、注目すべきだったのは、これまで常時織り込まれていた「両国の核心的利益を支援する」の文言が今般除外されていたことでしょう。

 

つまり、元来ロシア領だったクリミア併合と、中国の台湾併合なり、ベトナムやフィリピンへの領海侵犯、その延長線上の尖閣列島奪取の企みとは次元が違うので共闘は出来ないとし、そこまで日米や国際世論を敵に回すような愚は侵さないと、一歩踏みとどまったものと思えます。

 

ここへ来てプーチンは、欧米の経済制裁に加わった日本に対し、北方領土問題を絡めて牽制球を投げかけてきましたが、そこにはシベリア開発技術や資本投下と石油ガス購入への期待感が秘められているとみるべきでしょう。

 

幸い、習中国が今般のロシア天然ガス大量買い付け交渉で、欧州向けより大幅な値切りに成功したことは、今後の日本にとって、安くガスが買える地ならしが出来た訳でもラッキーな出来事でした。

 

「並外れた情報通で、利用できるものはすべて利用し尽くす」と言われるプーチンならではの対中接近は、その先に日本を見据えた戦略(中国を当て馬として利用した)の一環だと考えるべきで、この際対中戦略とは明確に分断・判別し、日本がとるべき対露戦略は、不即不離と言うか長期を見据えたものを構築すべきと考えます。
 
産経米国駐在の古森特派員によると、米国議会外交委員会の公聴会で「中国は、今や全世界の平和と安定と繁栄への主たる脅威となった」との共和党議員の発言があったが、他の議員からは何ら反対の声も出なかった由、当に米ソ(東西)冷戦時代を想起させるような、「米中(新東西)冷戦」時代の到来を思わせる強硬な言葉ではありませんか。

 

これはオバマ政権の対中融和政策がもたらしたものだとする「中国敵視論」を益々勢いづかせているようです。

時恰も、インドで反中代表格の人民党モディ新首相は、これまで穏健な国民会議派のシン前首相が唱えてきた「印中両国は協力パートナーである」との秋波を無視する様子で、初の外遊先に日本を指名し、次いで米国訪問も検討中とのこと、いよいよ“中国の力による現状変更という悪い戦略”は、アジア諸国をはじめ、世界の包囲網を強化し始め、アメリカも引き込まれざるを得ない処まで来たようです。

 

円高元安で中国経済の後塵を拝した日本にとって、円安元高の今こそ経済力反転のチャンスであり、国際秩序維持と平和外交のネットワークを構築し、ならず者国家の横暴を阻止すべき好機です。

最終更新日 2021年10月1日

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