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「ペットボトルが売れたボジョレー・ヌーボー: フランスの苦言は無視しよう」

2013年6月7日

 

 

2009年11月19日木曜日はボジョレー(Beaujolais)・ヌーボーの解禁日。
ルイ・ヴィトンと同様に、ボジョレー・ヌーボーは今(2009年)でも日本が
世界最上の得意先。
それでも、かっての馬鹿騒ぎが無くなり、売上もピークの半分。
踊らされている日本人に情けなさを感じていた有識者もこれで一安心。
フランス人が影で舌を出しているようで気になっていた。
 
ワインは度数が低く、アルコールが苦手な日本人向き。
アルコールそのものより雰囲気を楽しむ人が多い。
そこをボジョレー・ヌーボーのマーケッティングに利用された。
はやく他国にトップの座を譲りたいたい。
大消費が期待できるBRIC’S(ブリックス)があるではないか。

毎度の宣伝コピーではあるが、今年の出来は史上有数。
ところがピークは3000円前後したヌーボー・ワインも、今年の売れ口は安価なもの。
1000円以下のヌーボーは即日売り切れた。
これが妥当価格だからだ。

 

2019年のボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau:ボージョレ・ヌーヴォー)の
解禁日は11月21日木曜日。
2020年の解禁日は11月19日木曜日。

安く出来たのは輸入業者苦肉の策、軽量なペットボトルによる空輸費の削減。
ところがフランス人関係者から、おかしな苦情が出た。
「ペットボトルのワインとは日本人はワイン文化を解っていない。今後は禁止したい」。
ペットボトルは彼らが誇りに思う文化を軽んじられた気がするだろう。
だが安いワインのボトリングには合成ゴムや軽金属の栓がすでに普及している。
 
日本には紙コップでビールやワインを飲んでも、差異を感じない消費者が多く、
ペットボトルなど気にならない。
そういう国が嫌ならば輸出をしなければ良い。
日本人がんばれ!! ひるむことはない。
海外ではその土地の文化を理解し、敬意を持たねばならないが、日本に輸入された食文化が
日本スタイルになるのはやむを得ないのではないか。
その年のブドウの出来栄えを試し、新ワインを味わう。その好奇心を除けば、
出来の良い年のワインでさえ、500円から700円のチリなどニューワールド・ワインと
一般評価は変わらない。
それがガメ(ガメイ)(Gamay)種の宿命でもある。
 
日本でボジョレー・ヌーボーが安物志向となるのは至極当然な消費者選択。
ボジョレー・ヌーボーの最大の利点はブドウ・レスベラトロールが豊富な可能性が高いこと。
黑、赤系ブドウが持つブドウ・レスベラトロールは他の果実には稀なスチルベン・ポリフェノール。
心臓病や高血糖に悩む人には絶好の医療効果。
ボジョレー・ヌーボーがワインとして格別に美味しい年はごく稀。

大部分を低級品畑で生産し、アルコール度が低く、イーストで強制発酵させたワインは
本物志向とは隔たりがあり、高ければ売れない。

日本人も解ってきたのだ。
世界各地で変質、変貌した食文化は無理に正せない。
寿司にアボカドのカリフォルニアロール、ドライフルーツの握り、刻みベーコンや食用花の軍艦が出現しても
我々は批判できない。食文化はオリジンの国でさえ変化していくものだ。

数年前に日本の食文化を海外で正しく理解させようという、役所主導の運動があった。
本気とはとても思えない滑稽(こっけい)さで、線香花火のように消えてしまったが、使った費用は膨大。
海外向けの豪華な印刷物やPRウェブサイトに多額の投資。
結局は関連業者に利用されただけのようなキャンペーン。
 
日本食が門外不出ならともかく、調理人が海外に出かけて商売をしている以上、
現地に合わせ、なじんだ変化、海外食文化への同化に苦言を呈してはいけない。
 
海外でも勉強している人ならばオリジナルを知り、その差異が理解出来る。
オリジナルを知らない人々は未知の国に自分なりの夢を描けばよい。
固有文化は混交すれば変化する。
進化か退化か、誰にもわからず、一人で歩く。

しらす・さぶろう
 2009年に書かれた記事の復刻版です。

 

マスメディアで話題の長寿と癌(がん)の最先端研究

最終更新日 2021年8月16日

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