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武漢新型コロナウィルスに使用する抗エイズ・ウィルス化学療法剤は 重篤な副作用覚悟の劇薬

2020年2月6日

武漢新型コロナウィルスはWHOにより「COVID-19」が正式名称となりました。
サーズ・パンデミックでは正式名称が決まらぬまま仮称が正式名称となりましたが
今回は早々に名称の統一をしたものです(2020年2月11日)。
2019-nCoV 、武漢ウィルス、武漢劇症肺炎、新型コロナウィルス、新型肺炎ウィルスなどの仮称は
今後「COVID-19」、「武漢新型コロナウィルス」に統一して混乱を防ぎます。



1. 「沖止め」は欧米では当たり前の水際防疫法

2日前(2020年2月4日)より横浜や香港で巨大な客船が「沖止め」を
余儀なくされていることが、新型コロナウィルス(2019-nCoV)事件報道の
主役となっています。
船旅の不便さは、古来変わらぬもの。
航空機の旅行とは様々が異なります。
漁船、貨物船、遊漁船、自家用船などの操縦者や、船舶会社関係者ならば
「沖止め」は誰もが知ることですが、たまたま遭遇した乗客は本当に不運でした。

タイミングよくロハスケへの寄稿者であるケン幸田氏が船舶の疫病を
原因とする「沖止め」の歴史や検疫の語源を解説してくれています。

 

明治時代の文明開化、太平洋戦争の敗戦は鎖国や島国特有の閉鎖性が
続いていた国民に2度の大きな驚き(カルチャーショック)を与えましたが、
その後70年を経て現在、体験している訪日客の急増は、3度目の黒船来襲ともいえる
第3次のカルチャーショック。
わずか数年で700万人前後の訪日客が3,000万人超えになった激増は
公衆衛生面で、日本人がこれまで少しの懸念もしたことのない危険性に
突然取り囲まれてしまったことを意味します。

懸念されていたとはいえ、まだまだ西洋文明を持つ先進国とのカルチャーギャップが
大きいことを多くの人が知ることとなり、だれもが保健面でも、欧米では当たり前の
自己判断、自己防衛が重要なことを再認識したことでしょう。



2. なぜ悪玉ウィルスが人類に棲みつくようになったか

世界の人口が膨れ上がり、食糧や飲料水、エネルギーなど、文明の確保のために
人類は地球レベルで多くの未開地を開墾し続けています。
次々に居住地を侵略されている棲息動物が、間近に人類と接触するようになってから
まだ半世紀足らず。

猿のエイズウィルス、蝙蝠の狂犬病ウィルス(リッサウィルス:lyssavirus genus)、
野鳥の鳥インフルエンザやサーズなど、鳥類、哺乳類などの動物体内に棲みついていた
微生物が、家畜やヒトに転移して人類の攻撃を防ぐ変異を繰り返しています。

森林、原野の大開発前からの吸血蚊のマラリア、エボラなどは1世紀を超えて
人類を悩ましていますが、いまだに地球レベルでは完勝に至りません。
微生物との戦いはヒトヒト感染前に宿主を撲滅すべきでしたが、
すでに相当種のウィルスや寄生虫など悪玉微生物が人類に棲みつくようになりましたから
厄介です。



3. 抗ウイルス化学療法剤は重篤な副作用覚悟の劇薬

ウィルスはその微小さでヒトの細胞に入り込みますから、抗菌剤は役立たず。
安全性の高い医薬品はほとんどありませんが、エイズ(AID)や
B,C型肝炎などの難病用には、強い副作用覚悟の劇薬が多種類作られています。
日本でも2000年代初めに抗ウィルス剤としてファビピラビル (Favipiravir)が開発され
アビガン錠 (Avigan Tablet:開発者の商品名)として販売が企画されましたが
作用機序の*RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害が胎児に催奇性を誘導することに懸念が
あるとのことで、販売にはいたっていません。
*RNA-directed RNA polymerase(reverse transcriptase)

ウィルスとの戦争は、ウィルスが変異を繰り返す特性を持つため、ゲリラ戦同様に難儀。
核爆弾のような広範囲を壊滅させる兵器が使用できないからです。
局地戦とならざるを得ませんが、地形や天候で作戦が異なるのと同様に
民族や特有遺伝子、免疫力の強弱や、持病の有無など、個人差によって
適応医薬品を変えざるを得ないのが現状です。
今回の武漢新型コロナウィルス(2019-nCoV)は安全性を確認出来るワクチンが
当分は間に合いませんから、現段階では劇薬である既存の抗エイズ・ウイルス化学療法剤で
代用することが治療計画の主流。
(タミフルを開発したギリアード社によるレムデシビル(Remdesivir)が安全性の面から
検討されているという報道もあります)

タイランドで発見された中国帰りの感染者に抗エイズ・ウイルス化学療法剤の
*カレトラ(Kaletra)または*アルビア(Aluvia)がタミフルとの混合投与で大きな成果を
挙げたことが報道されています。
タミフルは感染初期にしか有用でないと思われますが、初期ならば相当に安全性が
高い治療となるでしょう。
(劇薬との混合率がどのくらいかは不明)。

混合治療はエイズや癌(がん)、C,B型肝炎、難病の感染症などの患者の免疫力多様性に
対応するために適用される手法ですが、カレトラ+インターフェロン+タミフルは
当初発生地の武漢市医師団がサーズ治療の経験から、あらゆる可能性を
按配し、試みている手法の一つ。
抗エイズ・ウイルス化学療法剤は、まだ数十年の歴史しかありませんが、
腎臓、膵臓、肝臓など重要臓器に過大な負荷を与えるために、たとえ難病に勝利しても
新たに始まる後遺症との戦いが避けられません。
これまでのところ新型の遺伝子はサーズに限りなく近いことが判明。
患者のそれぞれが持つ免疫力、薬剤耐性の違いにより
抗ウイルス化学療法剤の成果はバラバラで、決め手には今しばらく
時間がかかりそうです。
*カレトラ(Kaletra):商標.アボットラボラトリーズ社のアッヴィ(AbbVie Inc)が
生産するロピナビル(Lopinavir)とリトナビル(Ritonavir)を2種配合した混合剤。

二つは作用機序が異なりますが、双方ともにエイズ、肝炎治療、ウィルス性感染症に
使用されています。アルビア(Aluvia)はカレトラを熱帯で使用できる耐熱性仕様.
市場にはエイズ、C,B型肝炎、ウィルス性感染症治療に作用機序が異なる多数の
抗ウイルス化学療法剤があります。

***武漢新型コロナウィルス(2019-nCoV)の治療には対症治療薬も大量に投与されます。
劇症肺炎特有の激しい咳など呼吸器の炎症に対処するために
使用されるステロイドホルモンや抗炎症鎮痛剤の副作用も
覚悟しなければなりません。
サーズ・パンデミック当時は後遺症として骨粗しょう症患者が多発しました。
中国が主たる感染地だったために香港ルートを除くと正確なデータはありませんが、
29-40%くらいが推定されています。



4. 武漢新型コロナウィルス(2019-nCoV)治療にタミフルとインターフェロンの併用
    2019-nCoV -> COVID-19

インターフェロン(Interferon)の発見は1950年代といわれますが、
実用化するようになってまだ30年足らず。
インターフェロンはウィルスなど病原体の侵入に反応して分泌される
ホルモン様低分子生理活性タンパク質(サイトカイン:cytokine)の総称。
発見された種類はいろいろありますが、医薬品として実用化されているのは
IFN typeⅠと呼ばれるものの一つであるインターフェロンα2b(IFNα2b)。
遺伝子組み換えで量産され、B,C型ウィルス性肝炎や白血病など一部の癌治療、
エイズ治療に使用されています。
単体で使用されるより、抗ウィルス剤との合剤が一般的です。
(タミフルの解説は省略いたします)



5. エボラ出血熱の教訓「ウィルスは簡単に死滅しない」

2014年から西アフリカで急増しているエボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)
は致死率が非常に高いウィルス性感染症。
武漢新型コロナウィルス(2019-nCoV)よりはるかに強敵です。
2014年8月中旬で感染者7,000人、死者が4,000人弱となりましたが
これは当時の医療機関が関与した数字。
実際には氷山の一角でした。
2015年10月28日には感染者28,000人強、死亡者11,000人強(WHO)
死亡者が1万名を超えた2015年になり、治験中のワクチンに効果があり
マリなど西アフリカ3国内に封じ込めることに成功。
28,000人強をピークに収束に向かいましたが、まだまだ予断は許されないようです。

2015年9月になって完治したと思われたスコットランドの女性看護師が再発。
完治診断の感染者を再調査したところ、ほとんどにウィルスが長期間生存していた、
または(生存している)ことが判明。
踏み込んだ再調査が実施されていますが、関係者はエボラ・ウィルスの強靭さに改めて
警戒を強めています。



6. 自己免疫力強化にはレスベによるカテリシジン活性化

バクテリアなど微生物感染に対して鍵となる役割を果たし、最前線で侵入を
防御する能力を持つヒトの抗微生物ペプチド(antimicrobial peptides)が
白血球などの免疫細胞内に存在するカテリシジン(Cathelicidin:CAMP)

省略語ではCAMP(Cathelicidin antimicrobial peptides)と呼ばれています。
カテリシジンは当初、白血球の好中球(neutrophils)より分離されましたが
以後多数の細胞より発見されています。
たとえばバクテリア、ウィルス、カビ、ビタミンDホルモン様活性化物質(125-dihydroxyvitaminD)などに活性化された上皮系細胞(エピセリウム細胞:epithelial cells)や
マクロファージ(貪食細胞:macrophages)のリソゾーム(lysosomes:細胞内小器官の一つ)などです。
CAMP にはすでに数多くの研究が報告されており、微生物感染に対して
鍵となる役割を果たすことに、研究者らの異論はありません。

7. 抗微生物蛋白質カテリシジンを活性化させるスチルべノイド
カテリシジンを活性化する化合物で最強の物質はスチルべノイド
赤黒のブドウに最も多く含有しています。

スチルべノイド(Stilbenoids)はスチルベン(stilben)の水酸化二次派生物質。
赤黑ブドウやピーナッツなど豆類、木材の心材などに含有します。
化学的には植物がアミノ酸のフェニールアラニン(phenylalanine)から合成する
フェニールプロパノイド(Phenylpropanoid)。
赤黑ブドウ・レスベラトロールとその派生物のプテロスチルベンは植物を外敵から護る
ファイトアレキシン((phytoalexin:フィトアレキシンとも)です。

これまで赤黑ブドウ・レスベラトロールと派生物のプテロスチルベンなど
スチルベン・グループの細胞内における生理活性は未明でしたが、
傷や微生物感染の防御効能のファイトアレキシンは疫学的に知られていました。

カテリシジンが哺乳類への侵入バクテリア防御に対する先天的免疫において
重要な働きをすることは、すでに解明されていますが、スチルベン・グループの
働きとは結びついていませんでした。
赤ブドウ・レスベラトロールとその派生物のプテロスチルベンなどは天然の
赤黒のブドウに由来するものです。
ケミカルな合成物質のレスベラトロールや派生物のプテロスチルベンは
糖尿病治験では天然に較べ800倍以上の大量投与が必要となりましたが、
それでは副作用が顕著なため、権利を買い取っていたGSK(グラクソ・スミスクライン)が
医薬品化を断念した経緯があります。

最終更新日 2021年4月25日

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