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重篤な敗血症を魚油の脂肪酸が改善する

2016年6月24日

2016年も9月13日が世界敗血症の日

ボクシングのモハメッド・アリ(Muhammad Ali)さんが6月6日に
敗血症(sepsis)で亡くなられて注目されましたが、世界的には関心が薄い感染症.
敗血症はがん、心臓血管病に勝るとも劣らない感染者数と死亡者数.
世界の関係者が啓蒙運動を続けています.

「オメガ3脂肪酸のニュースと解説」下記に様々な情報があります.

 

1.敗血症患者の栄養補給に魚油を加えて大正解

フィリップ・カルダー教授がバイオメッド臨床治療誌(BioMed Central:journal Critical Care)に
発表した研究では魚油に含まれる各種の脂肪酸やビタミンが敗血症 (sepsis)治療に
大きな成果があることを突き止めています。
教授は血管がエネルギーと体を作る脂肪と油の栄養成分を運ぶばかりでなく、
生理活性を持つ脂肪酸を運んでいることが解ってきたと述べています。
実験対象は任意に抽出された、「炎症反応を起こしている」、または「敗血症と認定された患者」計23人。
非経口的に(静脈内点滴)天然魚油のオメガ3脂肪酸を含む流動食(emulsion)を与え、
結果としてガス交換機能の改善(二酸化炭素と酸素)、炎症物質の減少、入院期間の短縮を実現しました。
カルダー教授のチームが研究を実施したのはポルトガルの
パドル・アメリコ病院(the Hospital Padre Américo)。
カルダー教授によれば集中治療室(ICU)の重症敗血症患者が天然オメガ3脂肪酸で症状改善することを
確認した最初の研究であろうとのこと。

栄養補給に使用する伝統的な点滴流動食(emulsion)には脂肪酸として
大豆油(リノール酸:オメガ6)のみが含まれますが、この流動食に(大豆油に変えて)
魚油のオメガ3脂肪酸を加えた実験により炎症が大幅に減少することがわかりました。
大豆のオメガ6脂肪酸は過剰、ないしは(他の脂肪酸との)バランスを欠くと炎症を増やす
悪玉の脂肪酸ともいえます。
「リノール酸を過剰摂取する米国民:
米国厚生省ラムスデン博士が細胞炎症の危険性を警告」

 

2.フィリップ・カルダー教授(Prf. Philip Calder)

天然の魚油が敗血症の重症患者に有効なことを明らかにしたカルダー教授とは
サザンプトン大学(the University of Southampton)医学部栄養面疫学科の
フィリップ・カルダー教授(Dr Philip Calder)。
教授の研究テーマは
*栄養が人体に及ぼす健康と福祉の改善。
*栄養と疾病リスクの軽減。
*栄養関連(過不足など)を起因とする疾病。
*広範な分野免疫と栄養の関連。
*肥満脂肪のメタボに与える機能。
*炎症と心臓肥大の疾病リスク。
などなど多岐にわたります。

カルダー教授が栄養の中でも注目しているのが天然魚油とオメガ3脂肪酸の役割。
教授は天然の魚油に関して500からの科学論文を精査しており、インテリジェント情報の
トムソン・ロイターがこの分野ではカルダー教授を第一人者として採り上げています。
カルダー教授は1995にイギリス栄養学会(UK Nutrition Society)の
サー・デイビッド・キュースバートン・メダルを受賞。
2012年にはドイツ肥満研究協会(the German Society for Fat Research)より
ノーマンメダル(Normann Medal )を受賞。
2015年にはアメリカ油化学者協会(the American Oil Chemists’ Society )
のラルフ・ホールマン賞( Ralph Holman Lifetime Achievement Award )を受賞。
同じく2015年には英国栄養素基金賞(the British Nutrition Foundation prize)など
数々の表彰を受けています。

3.敗血症(Sepsis)とは 

感染症を起こしている部位から細菌が血液中に病原体が入り(菌血症)、
全身に発症すると敗血症、重症な敗血症は「敗血症ショック」と呼ばれます。
病原体微生物はバクテリアが主ですがカビ(黴)や原虫(Protozoa)も原因となります。
日本人の年間発生率が高い疾病は欧米同様に心疾患,脳卒中,癌ですが
敗血症はこれらに勝るとも劣りません。

4.敗血症(Sepsis)の発症

世界では年間約2700万人の敗血症が発生し800万人が死亡しているといわれます。
医師の知識不足に加え、圧倒的に院内感染が多いためもあり、必ずしも敗血症として
分類されないことが多く、統計の数字は極端に過少といわれます。
米国・欧州の疾患別年間発生率(10万対比)では心疾患208,脳卒中223,癌331.8に対して
敗血症は377という大きな数字が報告されています。
治療法の進歩により死亡率は低くなっていますが、院内感染が主となっているために
抗生物質耐性菌の急増が治療を困難にしています。
敗血症患者の30%前後は集中治療室(ICU)での治療が必要
死亡リスクは15%くらいと推定されていますが、重篤な症状(敗血症ショック)の
場合は40%とも言われています。
 

5.敗血症(Sepsis)の原因

敗血症の原因となる疾病は様々。
血管内細胞の損傷が主たる原因と考えられており
主に、肺、腹部、もしくは尿路で発症
 
*悪性腫瘍への抗がん薬投与や放射線治療
*副腎皮質ホルモン薬、免疫抑制薬の投与。
*腎盂炎などの尿路感染症。
*肺炎などの呼吸器感染症
*胆嚢炎(たんのうえん)、胆管炎、 腹膜炎
*肝・腎疾患
*糖尿病
*血管内カテーテル留置、人工関節や人工心臓弁。
 

6.敗血症(Sepsis)の症状

*体温の上昇(または低下)悪寒
*心拍数の増加
*呼吸数の増加
*白血球の異常な増加または減少
*血圧低下
これらの異常状態が複数表面化すると「敗血症性ショック」と呼ばれて
死につながる重篤な状態
 

7.敗血症の進行を防ぐ魚油の役割

細菌によって炎症が引き起こされると免疫系が機能し始め
それを助ける物質(サイトカイン)が放出されます。
サイトカインは血管を拡張させますから血圧が低下。
また臓器内部の毛細血管血液を凝固させる悪玉となります。
凝固により血栓が形成され続けるために血中蛋白が消耗。
悪循環が始まります。
血液凝固による血流量減少を補うために心臓が活発化
心拍増加、血圧上昇の原因となりますが
心臓の消耗が激しくなるとともに血流が減少。血圧低下。
血液不足により内臓の機能不全が進み、老廃物堆積などにより
敗血症が進行するといわれます。
魚油はこの血液凝固を防ぎ、血管内細胞の損傷を修復。
少なくなった血液供給を最大限活用させます。

「魚油の抗炎症メカニズムを解明:レソルビンD2(Resolvin D2)とは」

この実験で解明されたのはレソルビンD2が内皮細胞で少量の窒素を合成すること。
レソルビンD2は内皮細胞に白血球がこびりつくのを防ぎ炎症を抑えます。
これは魚油のオメガ3脂肪酸がタイプの異なる様々な炎症に役立つことを説明します。

ブドウ・レスベラトロールにも抗微生物に特異な効能があります。

「ブドウレスベラトロールが防御する微生物感染症:
免疫細胞強化ペプチドのカテリシジンを活性化」

最終更新日 2021年5月2日

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