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第三十一話:対中国観光政策はこのままで良いのか: 中国人庶民は日本観光ができるのか

2013年7月19日

観光立国の柱となる中国人誘致に国中が狂奔。
ビザの所得制限ハードルを下げれば1000万人以上の中間所得層が対象となる。
成田には専用アウトレット・モールまで作るという。
観光立国の基本は隣国の開拓。
世界最大の人口を持つ中国を対象とするのは当然のこと。
中間所得層はこれからも急増するだろう。
事実2013年は急増する来日中国人観光客が関連業界を潤している。
ところが、観光先進国の先例セオリーが当てはまらない大きな問題は、隣国との所得格差。
中国人が急増しているといっても、4000万人を超える巨大観光人口のわずかな割合。
 
大国の中国は隣国であり、日本とは永い明暗の歴史がある。
どんなに時間をかけても現状の政策で深い溝を埋めるのは至難。
富裕層や中間所得層の来日が増えた程度では解決しない。
悪しき反日学校教育を受けている庶民、学生に来て、見て、交流してもらう必要がある。
 
中間所得層の平均所得は日本の生活保護支給金額に近いと指摘する人がいる。
格安運賃で茨城空港に着いた中国人観光客のインタビュー。
機内弁当が約350円、飲料水が約90円。高すぎたので我慢したそうだ。
買い物客がターゲットというが、これからの1000万人のうち何パーセントが
永続的に多額な買い物をできるのか?
大きな期待をしてよいものだろうか。
本土の物価急上昇による中間所得層の可処分所得減少も考慮する必要がある。
今は神風かもしれないが、脱税者が多いといわれる母国の課税制度が変われば
中国人富裕層に永続性があるとはいえない。
過去には日本人もブランド品を求めて香港、シンガポールに殺到した時代がある。
 
あらゆる所得層に対応できている観光先進国とは根本的に異なる日本の消費者物価。
観光客の主要経費である、国内交通費、宿泊費、諸経費は硬直化して高止まり。
世界有数の物価高解消は至難。期待はできない。
近年は来日客総計が年間7百万人前後で推移し、円安となった2013年も1000万人
程度。数千万人が来日しておかしくない日本の観光資源.
最大の理由が物価高であり、中国人富裕層でさえ日本に来ているのは少数派。
現在のところ定価の2~3割とも推測されるホテル料金、移動手段(バス)の
大バーゲンで健闘しているが、2010年で150万人くらいの現状から急増していけば、
問題点もまた増える。
 
第一は中国人による日本の中国化。

行政も業界も妙案が浮かばずに硬直化している現状打破に、中国人業者が
航空輸送、ホテルを始め、観光業のあらゆる分野に進出。
日本の観光地を中国にしてしまう勢い。
諸施設、著名観光地から日本らしさが消えてしまった後はどうなる?
中国と日本では文化が異なり、デザイン感性にも大きな違いがある。
ホテルのバーゲンはホテル業界が荒れていくだけ。欧米人にも敬遠される。
 
第二は犯罪の増加。
犯罪暦のない者が資金稼ぎに、麻薬、武器など違法物品を運び、犯罪の連絡係り、
犯罪実行犯となる。
観光立国を目指す日本の思惑と異なり、新天地が彼らの資金源となっていく可能性。
 
第三は観光地にあふれる中国人
欧米人ばかりでなく、中国人自身が日本観光に満足できなくなるのではとの懸念。
2500万人が当面の観光立国の目標であれば、中国系観光客が1500万人以上が必要。
ショッピングゾーン、料飲食店、名所旧跡、リゾート、空港、公共交通機関、
どちらを向いても同系国の観光客で溢れる観光地。はたして快適だろうか。
富裕層ほど、これを敬遠する傾向が強いという。
日本人もハワイやアジア諸国で同様体験をした人が多いはず。
列車事故を起こしたスイスのマッターホルン裾野の街、ツエルマット。
オーバーな表現をすれば、夏のシーズンは日本人観光客がほとんどという(
和食レストランの日本人談)。
そういうところにあえて行きたい日本人富裕層は多くないだろうし、
欧米人も敬遠しているという。
 
対中国の観光政策は、少し切り口を変えるべきではないか?
外交政策を簡単に変える必要はないが、観光政策を変えて中国庶民の来日を
利益源とするより、親睦、親善を趣旨としたい。
国主導の宿泊施設作り。レンタカー用ガソリン、ビールの免税。鉄道の大幅割引。
公共交通の無料化。
博物館、美術館、動植物園、水族館など、国や自治体施設入場料の無料化。
政府、行政、観光業界が協調する改善策検討チームの編成を期待したい。

しらす・さぶろう
初版:2010年8月4日
復刻:2013年7月

最終更新日 2020年7月30日

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