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天然ブドウの抗酸化成分が網膜構造を護る: 萎縮型黄班変性症も酸化ストレスによる損傷

2016年4月22日

赤や黒ブドウはアントシアニンやレスベラトロールを含有しますが緑色には含まれません。
ただし総抗酸化能はORAC(後述)で比較して赤黒が2016緑色は1789.

 

 

赤ブドウを食べることが眼の健康に大いに寄与することを明らかにした論文が3月の
学術誌ニュートリション(the journal Nutrition)に掲載されました。
論文はマイアミ大学医学部バスコム・パルマ―眼科学研究所のチームによるもの。
(*The Bascom Palmer Eye Institute at the University of Miami Miller School of Medicine)
主任はハッカム博士(Abigail S. Hackam, Ph.D., ophthalmology)
これは既に明らかになっている天然ブドウ成分が網膜にバイオロジー活性を持つことを
実験動物の遺伝子変異解析で証明したものです。
「Grape-enriched diet protected retina against damaging effects of oxidative stress」

眼球の網膜組織には光を識別する光受容体(photoreceptors)を持つ視細胞があります。
視細胞には1億を超える明暗認識の桿体細胞(Rods)と約500万の色認識の錐体細胞(Cones)がありますが
眼の衰えはこの光受容体が酸化ストレスにより損傷され、回復できずに死に至ることで進行します。

米国には最終的に視力が損失する人を含めて網膜損傷(retinal degeneration)を持つ患者が数百万人。
酸化ストレス過剰による網膜の損傷は加齢による萎縮型黄斑変性(macular degeneration)を
含めて視力低下を招きます。

マイアミ大学の天然ブドウによる研究ではブドウ成分の特定な抽出物ではなく、
天然ブドウ全体をそのままフリーズドライした粉を使用。
実験では急性の酸化ストレスから引き起こされる網膜の損傷程度を下記の三つのグループに分けて
ゲノム変異の有無を検証。

天然ブドウを投与したグループ。
一般的な食事をするグループ
糖分を適量調整した食事をするグループ

 

実験方法の詳細は省略しますが、遺伝子多型「SNPSingle nucleotide polymorphism」を解析した
結果として天然ブドウを食したグループは網膜構造と機能の正常性が維持されていました。
特筆すべきは負荷された酸化ストレスにかかわらずこのグループは網膜の厚さ、
光受容体の質と活動量が維持されたこと
*光を感じる網膜は厚さ約120ミクロンで、8層構造。
反面他のグループは網膜が損傷され、黄班部分と孔に変性と病変(lesions)が見られ、
特に網膜の厚さが減少。
光受容体数は40%が減少し、活動力が大幅に低下していました。

「長寿社会の勝ち組となるには(その9):
赤紫色素は美容と長寿の最強抗酸化ポリフェノール(5)
赤ブドウと桑の実」

 

活性酸素を除去する抗酸化機能は生体利用率で評価するべきです。
抗酸化が話題となるときに酸素ラジカル吸収能(ORAC:Oxygen Radical Absorbance Capacity
:活性酸素吸収能力)が求められ独り歩きすることがありますが、
実験室の一つの結果で抗酸化機能を判断するのは安易。
抗酸化機能を測る方法はいくつかあり、酸素ラジカル吸収能(ORAC)が手軽さで普及していますが
活性酸素を除去する能力は疫学的な評価が重要です。
自然界ではビタミンC, Eやアントシアニン類も様々な物質と様々な形で共存しています。
疫学的結果とは、摂取された後に生体が抗酸化能力を利用できる度合(生体利用率)。
合成された物質やアントシアニン類を単体で取りだしたサプリメントではなく、
果物、野菜など母体そのものを摂取した時の生体利用率で比較判断すべきです。
ブドウの抗酸化能力はブルーベリーなど他の赤黒色果実に較べても生体利用率が高く、
活性酸素除去に体内で大きな働きをする特性を持つことが疫学的に知られています。
長寿と食生活の疫学研究で著名な京都大学の家森博士は赤ブドウを推奨食材のトップ群に挙げており、
米国農務省の児童、成人の推奨食生活プラン(Arkansas Child and Adult Care Food Program :CACFP)
も赤ブドウ・ポリフェノールの抗酸化成分が高度な生体利用特性を持つことの研究成果を得ており、
そのプランに組み込んでいます。

最終更新日 2021年5月4日

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